発達をみながら注意したい0・1・2歳児の事故(医療機関ネットワーク情報)
消費者庁と国民生活センターが共同で事業運用している『医療機関ネットワーク』が、「0~2歳児の発達段階と行動パターンの特徴を踏まえた事故防止のために保護者の方々が注意すべき点」をまとめました。 ⇒ 20160114「発達をみながら注意したい0・1・2歳児の事故」(国民生活センター)
2010年12月以降、2015年11月末までにネットワークに寄せられた12歳以下の事故情報23,781件のうち、12,484件が0~2歳児によるものでした。
子どもの事故は、年齢や発達の程度により内容が異なります。
3~4ヶ月になると首がすわり、手に触れるものは握ったり、振ったり舐めたりして遊ぶようになります。6~11ヶ月になると、寝返り、お座り、ハイハイ、つかまり立ちができるようになり、上手に物をつかんで口に持っていくようになります。この頃は発達も早く、機能できなかったことができるようになるため対応が遅れがちになると言われています。さらに、1~2歳になると歩行により行動範囲が広がるため事故が多発します。
このような発達段階と行動パターンの特徴を踏まえ、保護者の方々が注意すべき点について、以下にポイントのみ抜粋します。
事故の93%は軽症。ただし、0歳児、1歳児では重篤・死亡事例もある。
年齢 | 備考 |
0歳児 | 0~2歳児の事故の約28%(3,459件)。重篤・自暴事故も発生している。 |
1歳児 | 0~2歳児の事故の中では最も多い(0~2歳児の事故の約42%(5,220件))。重篤・死亡事故も発生している。 |
2歳児 | 0~2歳児の事故の約30%(3,664件)。 |
年齢別にみると成長過程により事故の傾向に変化がみられる。
年齢 | 傾向(事故の種類/多い順) |
0歳児 | 「転落」 「誤飲・誤嚥」 「転倒」 |
1歳児 | 「転落」 「転倒」 「誤飲・誤嚥」 |
2歳児 | 「転倒」 「転落」 「ぶつかる・当たる」 |
0~2歳児の事故で最も多いのは転落事故。転落する場所も年齢により変化する。危害の程度(軽症~死亡)別でも最も多い。
生後数か月までは「寝返りをしないから大丈夫だと思っていた」「落ちないように布団などで囲っていた」など、それほど子どもが動かないだろうと思っていても事故がおきている。
1・2歳児では歩行により行動範囲が広がり、階段やいすからの転落が目立つ。
★報告全文には事例の記載もあります。 ⇒ 20160114「発達をみながら注意したい0・1・2歳児の事故」(国民生活センター)
年齢 | 転落する場所(多い順) |
0歳児 | 「ベッド類」 「いす類」 「育児家具類」 「ベビーカー」 「階段」 |
1歳児 | 「階段」 「いす類」 「ベッド類」 「育児家具類」 「遊具」 |
2歳児 | 「階段」 「いす類」 「遊具」 「ベッド類」 「机・テーブル類」 |
0~2歳児とも「机・テーブル類」が上位、1歳児からは自転車が増加。危害の程度は軽症の割合が多い。
0・1歳児は歩行が不安定なためか、「転んでテーブルなどにぶつかった」ケースが目立つ。月齢では7ヶ月ごろから増え始める。
特に0歳児ではベビーカーからの転落といったケースもある。
1・2歳児では「自転車」による転倒が目立ち、子どもを乗せていて転倒し「中等症」に至る事例も。
★報告全文には事例の記載もあります。 ⇒ 20160114「発達をみながら注意したい0・1・2歳児の事故」(国民生活センター)
年齢 | 転倒する原因(多い順) |
0歳児 | 「机・テーブル類」 「ベビーカー」 「いす類」 「床」 「自転車」 |
1歳児 | 「机・テーブル類」 「自転車」 「いす類」 「床」 「家具・寝具」 |
2歳児 | 「自転車」 「机・テーブル類」 「階段」 「いす類」 「床」 |
「誤飲・誤嚥」による事故はどの年齢でもきっかけの第3位。誤飲したものや、体内でとどまった部位によっては入院や手術を要する場合もある。
★報告全文には事例の記載もあります。 ⇒ 20160114「発達をみながら注意したい0・1・2歳児の事故」(国民生活センター)
年齢 | 誤飲・誤嚥したもの(多い順) |
0歳児 | 「たばこ用品」 「電池」 「事務用品」 「飲料」 「玩具類」 |
1歳児 | 「電池」 「たばこ用品」 「他の医薬品」 「コイン」 「食器」 |
2歳児 | 「他の医薬品」 「電池」 「コイン」 「食器」 「住居雑品」 |
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